2014年06月03日

グラーツ会議報告!

7th International Conference ' Tunnel Safety and Ventilation ' 2014, Graz
今回は、グラーツ会議報告!です。

2014年5月12日~13日 
第7回トンネルと換気に関する国際会議

グラーツ会議報告!
今回、創発システム研究所がこの会議で発表させて頂いた論文は、
「Real-Time Estimation of Heat Release Rates in Tunnel Fires トンネル火災における発熱速度のリアルタイム推定について」です。

温度検知センサから得られる火災時の各種データを読み取り、非常時における火点位置や火災規模の推定について述べさせていただきました。
※ご興味のある方は、創発システム研究所までお問い合わせください
https://www.mmjp.or.jp/ssl.sohatsu.com/form0.htm

会議は2日間に渡って行われ、1日目の終了後には、レセプションパーティーが開催され、世界で活躍する技術者やドクターの方々と、交流を深めることができました。
2日目を終了した後には、希望する参加者でバスに乗り込み、グラーツ郊外にある実トンネルで行われる火災実験を、現場で間近に見学することができました。
今回は、この火災実験の模様をみなさんにご紹介したいと思います。
グラーツ会議報告!2日目の会議を終了した後の夜22:00、黄色いベスト着用した参加者は、バスで郊外のトンネルへと移動をし、実験現場へと到着します。

トンネル内の実験区間では、火皿から約100m離れた地点に事故車が2台用意されており、車内には人形ではなく実際の人間が怪我人役として閉じ込められていました。

火皿2枚に、合計10ℓのガソリンが入れられ着火。
煙はまたたく間に黒煙となり、天井に向かって昇った後、坑口に向かって流れていきます。煙層は天井に張り付き、どんどん厚さを増していきました。
グラーツ会議報告!火災実験を間近で見学できたことであらためてわかったことは、我々の頭上にまで煙の層がみるみる押し寄せてきた際に、これほどの煙が発生しているにもかかわらず、天井に煙が張り付き、留まっている間は、人間はまだ「苦しくない」ということでした。

また、トンネル火災における煙の移動特性もあらためて再認識することができ、いかにこの火災発生初期段階の非常時換気を考えるか、大変貴重な経験となりました。

その後、火災発生から約3分で排風機による排煙(手動)が開始され、排風機が稼働すると、煙は一気に吸い込まれていきます。排風機運転開始後のものすごい風の勢いも実際のトンネル内で体感することができました。

グラーツ会議報告!火災発生から約20分でレスキュー隊が到着し、本格的な救出劇が目の前で展開されました。
怪我人役の方は、プロの役者さんのようで、より現実に近い形で事故の光景が再現されていました。
到着したレスキュー隊は、事前に事故のシナリオは知らされておらず、現場に則した対応をとる様を目の前で見させて頂く事ができました。

今回の貴重な体験を生かし、今後の業務へフィードバックしていきたいと思っております。

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雑記~ウィーン~
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グラーツ会議報告!
最後に、雑記をお届けします。

今回訪れたオーストリーの首都はウィーン。
ここウィーンには、ハプスブルク家400年の歴史的コレクションが一堂に展示された「美術史美術館」があります。
壁一面に飾られたそのコレクションの数にも圧倒されますが、そのどれもが持つ芸術性は、「素晴らしい」の一言。








グラーツ会議報告!
特に印象深かったマリーアントワネットの壁画は、高さ2m以上もあり、ルイ16世の肖像画と並んで展示されています。ここウィーンの地で、その歴史背景を考えながらこれらの芸術作品を目の当たりにすることは、大変貴重な人生経験となりました。












グラーツ会議報告!
また、この美術史美術館の建物は、すばらしい中世ヨーロッパ建築でありながら、建物の中心ホールが大胆にもレストランになっています。このレストランを取り囲むように美術館への入り口ドアが配置されており、大変興味深い建物でした。









~最後に、ヨーロッパのトイレ事情について~
グラーツ会議報告!
これまで、何度も海外出張者に話を聞く中で、男性目線では一度も聞かされなかったトイレ事情について、今回は女性目線らしい感想です。
ヨーロッパの便座はとにかく大きい!!ということ、ご存知でしたでしょうか。

日本の1.3倍くらい!?あり、日本人なら落ちてしまう?かも?のレベルです。
また、「ウォシュレット」をどこかのトイレで期待することなど、まず無理!であり、さらには日本では女性トイレにほとんどある「化粧台」すらどこにもない、とのこと。

我々日本人が当たり前のように使っている「どこにでもある清潔で配慮の行き届いたトイレ」は、実は「すばらしい日本の文化」であったのだ…と、あらためて知る事ができたヨーロッパ出張でした。


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Posted by 創発システム研究所 at 17:00│Comments(0)その他雑記
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